SRRVを夫婦で取得する場合には、婚姻証明(Marriage Certification)の提出を要求されます。賢い方法を知っていれば簡単に用意できるのですが、私の場合はかなり遠回りすることになりました。
ここでは簡単に用意できるおすすめの方法と、私が実践した遠回りな方法の両方を解説していきます。
婚姻証明を用意する方法は大きく2種類に分かれます。一つは「日本で全ての書類を準備する方法」。もう一つは「フィリピンで取得する方法」です。
日本で準備する方法は本当に手間が大きいです。早く最善の方法を知りたい方は、目次の「フィリピンで婚姻証明を取得する方法」に飛んでください。
Contents
日本ですべて準備する場合(非推奨)
1.戸籍謄本取得
2.戸籍謄本を英訳
3.公証役場で認証
4.法務局で認証
5.日本外務省で認証
6.フィリピン大使館で認証
日本で婚姻証明を完成させるには、上記の6つのステップが必ず必要になります。どれも絶対に外せない要件なので、確実に順序を間違えずに行ってください。
まずは戸籍謄本を取得
日本で発行される書類の中で、婚姻証明として機能するのが戸籍謄本(Family Register Certification)です。婚姻証明というと「婚姻届受理証明書」のことかな?と思う人もいると思いますが違います。
戸籍謄本の取得方法は誰でも知っていますよね。本籍のある都道府県で申請して取得します。
必ず戸籍抄本(個人事項証明)ではなく戸籍謄本(全部事項証明)を取得してください。
戸籍謄本を英訳
戸籍謄本は日本語でしか入手することができません。そこでこれを英訳する必要が出てきます。業者に頼むこともできますが、私の場合は自力で英訳を作成しました。
ネット上には戸籍謄本英訳のテンプレートを配布してくれている優しい方が存在します。彼らのおかげで自力英訳はそれほど難しくありません。
Aiko Life 戸籍謄本の英訳サンプル
https://aikopulupulu.com/post-286/
公証役場で認証
英訳は自力で行っても業者に頼んでも、当然ながら公的な書類としては認められません。これを公的な書類にするために、まずは公証役場で認証を受けます。
公証役場は各地方自体にあるので、最寄の場所を選びましょう。私の場合は兵庫県の阪急塚口駅そばにある「阪神公証センター」を選びました。
直接公証役場に行く前に、まずは電話で相談しておくことをおすすめします。私の場合は事前にメールで英訳を送り、チェックしてもらうことができました。これなら当日もスムーズに事が運びますよね。
アポを取っていた時間に訪問すると、すでに認証書類も用意してありました。10分くらいの滞在時間で書類を受け取って終了です。
手数料は私文書認証に5,500円と、外国文加算6,000円を合わせて11,500円を支払いました。日本公証人連合会によって定められた金額なので、どこの公証役場でも同じ金額だと思います。
日本公証人連合会 手数料
http://www.koshonin.gr.jp/business/b10
地方法務局で認証
公証役場で認証を受けた書類は、その公証役場が所在する都道府県の地方法務局長によって認証される必要があります。これを「公証人押印証明」といいます。
都道府県によって取り扱いは異なると思いますが、私の場合は兵庫県にある阪神公証センターで認証したので、公証人押印証明は神戸の地方法務局で受けることになりました。
地方法務局長によって認証といっても、事務手続きは総務課の人が書類をチェックしてハンコを押してくれるだけです。所要は5分ほどであっけなく終了します。手数料も必要ありません。
神戸地方法務局 公証人押印証明について
http://houmukyoku.moj.go.jp/kobe/page000026.html
日本外務省で認証
地方法務局での認証が終われば、申請準備④で解説した犯罪経歴証明書の認証と同じ手続きに入ります。
なので日本ですべての書類を完成させる場合、まずは犯罪経歴証明書を申請し、2週間後の受け取りを待つ間に、戸籍謄本の地方法務局での認証までを終わらせ、日本外務省には「犯罪経歴証明書」と「戸籍謄本」の2つを一緒に持ち込むとロスが無くて良いと思います。
細かい話ですが、犯罪経歴証明書は英語など数か国語で併記されているため自分で英訳する必要がなく、公証人役場と地方法務局での認証が必要ありません。そのまま日本外務省で認証を受けることが出来ます。
日本外務省での手続きは申請準備④で解説した内容と全く同じです。
日本外務省は東京と大阪の2か所にあります。東京なら霞が関、大阪なら地下鉄の谷町4丁目駅が最寄になります。私の場合は兵庫県に住んでいるので、大阪分室に行きました。
申請と受け取りの方法は以下の3種類から選べます
1窓口申請⇒窓口受取
2窓口申請⇒郵便受取
3郵便申請⇒郵便受取
一番早いのは当然一番上の、窓口で申請して窓口で受け取る方法。これなら申請の翌日に受け取ることができます。受取のみ郵便の場合は2~3日後、郵便ですべて済ませる場合は10日~2週間かかるそう。
首都圏や大阪近郊に住んでいる人なら2日で終わる作業ですが、地方にお住いの人だと時間がかかるので要注意。
窓口申請の方法はとっても簡単で、認証を受けたい書類(戸籍謄本と犯罪経歴証明書)と身分証明書だけ持っていけば、その場で申請書を記入するだけです。手数料も無料です。
外務省(日本国内)における証明
https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/todoke/shomei/index.html
フィリピン大使館で認証
フィリピン大使館も東京と大阪の2か所にあります。東京なら六本木、大阪ならJRの京橋駅か地下鉄の大阪ビジネスパーク駅が最寄です。
こちらも申請自体はとっても簡単です。東京の場合、日本外務省で認証済みの書類(戸籍謄本や犯罪経歴証明書)とパスポートだけを持って窓口に行けば、エクスプレス申請で翌営業日に受け取ることができます。
しかし私が大阪のフィリピン大使館で認証をお願いしたところ、「忙しいから受け取りは郵送のみ。エクスプレス申請もない」とのことでした。
郵送受取ということは、フィリピンの人たちの働き方を加味すれば、受け取れるのは早くて10日後くらいと予想できます。
東京には日本人スタッフもいるようですが、基本的には窓口の人はフィリピン人なので、英語で対応する必要があります。認証はAuthenticationやNotarizationという難しい単語になりますが、それより「Red Ribbonを申請したい」と伝えたほうがスムーズです。
フィリピンで認証を受けた書類には、大きくて立派な赤いリボンが付きます。これがレッドリボンの意味。覚えておくと便利です。
東京のフィリピン大使館「領事認証(認証手続き)」
https://tokyo.philembassy.net/ja/consular-section/services/authentication/
ここで説明されているのはあくまでも東京のフィリピン大使館のこと。2019年4月に訪問して聞いたところ、大阪で申請する場合は受け取りが郵送のみだそうです。
これでやっと完了
想像してもらえるとわかると思いますが、全部のステップを踏んでいくのはけっこう大変な作業です。役所はどれも普段は立ち入らない特別な場所だから若干緊張するし、最後のフィリピン大使館では英語での対応も必要です。
しかも私の場合は「日本外務省での認証」まで終わったところでフィリピン渡航までに手続きが終わらないことが判明し、とんでもない失敗をしてしまうことになりました。
次に解説するのがおすすめプラン。こちらのほうが断然ラクだと思います。
フィリピンで婚姻証明を取得する方法
日本で戸籍謄本を取得
日本にいる間に戸籍謄本を取得します。フィリピンで婚姻証明書を発給してもらうには、6か月以内発行のものが必要なので、最新のものを準備してフィリピンに行きましょう。
フィリピンで婚姻証明を取得する場合、日本で行うのは本当にこれだけ。公証人役場も法務局も外務省も行く必要がありません。
在フィリピン日本大使館を訪問
在フィリピン日本大使館はマニラ、セブ、ダバオの3か所にあります。マニラの日本大使館はパサイ市にあります。マカティからはタクシーで30分ほどの距離。所要時間は渋滞状況で大きく前後します。
この日本大使館で「婚姻証明書の発給」を申請します。必要書類は戸籍謄本とパスポートのみ。その場で申請書に記入して、受け取りは翌日だそうです。
ここで発給された婚姻証明書は英訳の必要がなく、認証手続きも必要ないそう。このままPRAに提出できるようです。(実際に私が取得したのではないので真偽不明)
在フィリピン日本大使館 身分事項証明
https://www.ph.emb-japan.go.jp/itpr_ja/00_000184.html
リタイアメント永住権 SRRV(古い情報が混じっているので参照注意)
http://www.interq.or.jp/tokyo/ystation/pra.html
後者が断然お得
情報を整然と並べてみれば、どちらの方法で婚姻証明を用意すべきかすぐに理解できますよね。当然ながらフィリピンで用意したほうがかなりラクです。
私の場合は不幸なことに、整然と整理された情報に出会えなかったので遠回りをしてしまいました。この記事を見た方は、ぜひ賢く対処してください。