・預託金 20,000 USドル
・申請費用 1,400 USドル
・年会費 360 USドル
たった220万円の預託金と、20万円くらいの費用でロングステイビザが取得できる国は世界でも稀。
「年会費4万円を支払い続けるのはちょっと・・・」
と感じる人も多いと思いますが、フィリピンの高金利のドル建て定期預金の存在を考えればこれも許容範囲。
2万USDの預託金は個人名義のドル建て定期預金。当然これにも金利が付きます。私が使ったフィリピン最大手BDO銀行のドル建て1年定期預金の金利は1%。1年で約22,000円が金利として受け取れる計算です。
この時点で年会費の半分は帳消し。SRRV取得後にさらに定期預金をつくれば、年会費の約4万円など金利収入だけで上回ってしまうのです。
このサイトで解説するのはフィリピンの永住権ともいえるロングステイビザ、SRRV(特別居住退職者ビザ)を自力で取得する方法。きちんと情報さえ把握すれば自力申請は難しくありません。
私はあくまでも素人ですので責任は一切持てませんが、質問等ありましたらツイッターやコメント欄、お問い合わせフォームから投稿ください。できる限り誠実にお答えさせていただきます。
Contents
SRRVを申請できる人の条件
・年齢が35歳以上
・お金が十分にある
・健康に問題が無い
・前科がない
・(自力申請なら)英語ができる
SRRVの申請ハードルは本当に低いと思います。
まずうれしいのが年齢要件。退職者ビザといえば50歳以上などが普通でしょうが、フィリピンなら35歳から取得可能。35歳でも預託金は2万USDだけです。
ビザ取得時には簡単な健康診断があるので、ここで引っかかると申請することができません。健康なうちに取得しておきましょう。
あと、日本で犯罪経歴証明書を取得するため、前科がある人は申請することができません。
自力申請となると不安なのが英語の問題。フィリピン人の英語はアジアでもトップクラスの流暢さなので、英語に全く慣れていない人だと難しいかもしれません。
とはいえ事前にしっかりと情報を収集して流れを把握し、出てきそうな単語を予習しておけば問題ありません。恥をかく覚悟で挑戦しましょう。
必要書類
・犯罪経歴証明書
・婚姻証明書(夫婦の場合)
・健康診断書(指定病院で発行)
・証明写真
必要な書類はたったのこれだけ。ほかの国と比べてめちゃくちゃ簡単です。だからこそ代行を頼まなくても自力で可能なんです。
こんな人に特におすすめ
・定年後に海外で暮らしたい人
・フリーランスで自由に動ける人
・海外で資産運用したい人
・日本依存のリスクを避けたい人
SRRVで想定されている取得者は、基本的に定年後のリタイア世代。
すでにある程度の資産を保有しており、年金を受け取っているような人が対象。ロングステイビザのイメージってそんな感じですよね。
だけど今の時代は30代、40代の現役世代でもロングステイビザ取得の恩恵を受けることができます。
例えば場所にとらわれることのないフリーランスや投資家の人。
永住権やロングステイビザなんて取らなくても、観光ビザの期間内で飛び回れば海外に在住することは可能。
だけどそんな自由な人たちが増える中、観光ビザでの長期滞在はどこの国も年々厳しくなってきています。備えとして早めにロングステイビザを取っておけば安心。
あとは海外で資産を運用したい人。
日本経済は明らかな先細り局面なのに、全資産を日本に置いておくのはリスクが高いと感じます。海外に出ればより有利な条件での資産運用も可能。
フィリピンに長期で住むという直接の目的がなくても、早めに海外に住む権利を持っておくことは多くの人にとって有用だと思います。
フィリピン永住権の一つであるSRRV(Special Resident Retiree’s Visa/特別永住退職者査証)を本日取得しました^^妻と麗もおまけでもらえるのがこの永住権の良さ。年会費360㌦でフィリピンに永久に住む事が可能で有効期限はなし。SRRVを使ってBDO銀行の口座を開設してきました!写真はダイエット前の pic.twitter.com/IsAlWvL68i
— 与沢 翼 (@tsubasa_yozawa) 2018年11月5日
有名な人だと与沢翼さんが2018年にSRRVを取得されたそう。若いうちから取得する人も今後ドンドン増えていきそうですね。
おおまかな流れを確認
1.フィリピンで預託金用の銀行口座を開設
2.日本の銀行から預託金を送金
3.日本で必要書類を集める
4.(必要なら)フィリピンで残りの手続き
5.必要書類と費用を添えてSRRVを申請
6.健康診断を受ける
7.ビザの受け取り
SRRV取得までの道のりはだいたいこんな感じです。すべて自力で申請する場合、最短で1か月程度あれば申請準備が整うと思います。
申請まで最短1か月。申請中はパスポートを預けたままフィリピンで1か月くらい。早ければ合計2か月で取得可能です。
まずはフィリピンに渡航
SRRVを取得したいなら、まずはフィリピンに飛ぶことになります。
主な目的は預託金用の銀行口座を作ること。これがないと日本から預託金を送金することができません。
いきなり銀行に行っても旅行者は銀行口座が作れません。首都マニラの中心地マカティにある、シティバンクタワー29階のPRA(フィリピンリタイアメントオーソリティー)を訪れましょう。
PRAとはSRRVに関する業務を行うフィリピンの役所です。
PRAオフィスに着いたら受付で、新規申請者だと伝えましょう。すると担当者がついてくれるので、SRRVについて簡単な説明を受け、銀行口座開設のためのレターを発行してもらいます。
レターを受け取ったら指定の銀行支店へ行き、銀行口座を開設します。これでフィリピンでの作業は一旦終わりです。
日本でやること
フィリピンの口座に預託金を送金
日本の銀行から海外送金の手続きをします。これは親切な日本の銀行相手の作業なので簡単。送金は1週間程度で完了するそう。
ここで必ず必要になるのがマイナンバー。持っていない人は一旦日本に住民票を戻すなどして取得しましょう。
日本の犯罪経歴証明書を取得
犯罪経歴証明書は住民登録をしている都道府県の警察庁で発行してもらえます。
都道府県によって取り扱いが異なりますが、発行には約2週間かかることが多いよう。事前に都道府県警のホームページを確認し、電話で問い合わせしてから出向きましょう。
犯罪経歴証明書はフィリピンにある日本大使館でも発行可能。しかし約2か月かかるそうなので、日本で取得するのが無難です。
犯罪経歴証明書は英語など数か国語で併記されていますが、これをそのままPRAに提出することはできません。日本とフィリピンの両国で認証を受ける必要があります。
犯罪経歴証明書を取得しただけではダメ。日本とフィリピンの両方で認証を受けましょう。
婚姻証明を取得(結婚している場合)
夫婦でSRRVを取得する場合、婚姻証明の提出が要求されます。その婚姻証明として機能するのが戸籍謄本。本籍のある都道府県で取得しましょう。
戸籍謄本も犯罪経歴証明書と同じように両国政府による書類認証が必要で、認証前には英訳する必要まであります。
日本でこの手続きを全て終わらせる場合、「戸籍謄本取得」⇒「英訳」⇒「公証役場で認証」⇒「法務局で認証」⇒「日本の外務省で認証」⇒「日本のフィリピン大使館で認証」と膨大な手間がかかります。
なのでおすすめは「日本で取得した戸籍謄本をフィリピンにある日本大使館に持ち込み、婚姻証明の発行をお願いすること」。こちらのほうがラクだと思います。
日本ですべて完成させるのは大変。戸籍謄本だけ取得して、あとはフィリピンで手続きをするのがおすすめです。
滞在場所を予約
数泊の滞在なら普通の安いホテルに泊まれば問題ありませんが、SRRVの申請から受け取りには約1か月の時間がかかります。
この間ずっとホテルにいるのは窮屈だし、料理もできないと不便です。
とはいえフィリピンの賃貸契約は半年以上が前提なので、気軽にアパート暮らしというのも難しい。
そこで活躍するのがAirbnb。日本とは異なりフィリピンでは民泊が合法なので、一泊単位でアパートやコンドミニアムを借りることができます。
マカティ中心部にある60階建てジム・プール付きの高級コンドでも、月10万円以下で借りることが可能なのでコスパは抜群。
移住のお試しにもちょうど良さそうですね。
Airbnbを利用して、マカティのコンドミニアムを1か月以上借りましょう
全て終わったらフィリピンへ
観光ビザを延長(必要なら)
日本人がビザなしでフィリピンに滞在できる日数は30日。対してSRRVの取得には申請から20営業日が必要。
日本で全ての書類を揃え、渡航後すぐにPRAで申請手続きできる人なら必要ありませんが、そうじゃない場合は観光ビザの延長が必要。
観光ビザの延長は最短30分で終わる簡単な手続きなので、それほど手間にはなりません。
NBIクリアランスを取得(必要なら)
フィリピンに入ってからSRRVの申請まで30日以上滞在している場合、フィリピンの警察が発行する無犯罪証明(NBIクリアランス)が必要になります。
取得にはオンライン登録や事前支払いが必要になり、当日の受領もできません。できればNBIクリアランスは必要にならないよう日程を組みましょう。
申請書類を提出して健康診断
すべての書類が揃ったらシティバンクタワーのPRAを再訪します。持っていくものは申請書類一式とお金とパスポート。
申請書類を提出して申請料を支払うと、指定病院で健康診断を受けるよう指示されます。健康診断が終われば後はもう待つだけです。
受け取り予定日は約20営業日後。この間はパスポートをPRAに預けているので、出国することはできません。フィリピン国内で待ちましょう。
申請が完了した時にもらえる書類には「受け取り予定日」が記載されていますが、これはあくまでも目安。私の場合は1週間くらい遅れました。
日本では考えられませんが、フィリピンの役所でこのくらいの遅れは誰も気にしない誤差の範囲。日程は余裕を持って組みましょう。
いよいよ受け取り
前述の通り、PRAの手続きは遅れる可能性があるので、受け取り予定日を信じてPRAをいきなり訪問するのは危険。まずは電話で問い合わせるのがおすすめです。
電話で担当者とアポを取っておけばもう安心。現地でパスポートとSRRVの会員カードを受け取り、契約書にサインして終了です。
次にPRAを訪れるのは更新の時。やっとすべての手続きが終了しました。